パトリックの一声で、パチッと目蓋をあけた二人は、体を離した。
 キャロルは熟れたリンゴみたいに頬を赤くする。

「わ、わわ、わたくしったら、結婚前のレオンさまにとんでもないことを!」
「いや、したのは俺の方だから」

 照れた二人は、顔を見合わせて吹きだした。

「帰ろうか、お姫様」
「はい!」

 手を取りあって白馬に乗り、城へ向かって歩き出す。