胸のおくにあった本音が、喉を通って、すっと出た。
 自分を偽ることをやめたキャロルに、レオンは幸せそうに目を細めて答える。

「君がいちばん好きだよ、キャロル。俺の『好き』は君だけのものだ」

 美しい顔が傾いで、触れるだけのキスが落とされた。
 目をとじると、重ねられた唇から、甘い気持ちが染みこんでくるのを感じる。

 キャロルはレオンが好き。
 そして、レオンも、キャロルがいちばん好き。

 秘密を打ち明けた二人の心は、大きく扉をあけて、大切にしまいこんだ愛を輝かせた。

「ワン!」