【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!

「きれい……」

 白い花びらが、縁の方にかけてピンク色に色づいている、いちばん好きな薔薇だった。
 レオン王子に連れられて、お城の薔薇園に行ったときに見つけたものだ。
 トゲがとても鋭いと庭師に注意されたので、手にとるのはこれが初めて。

 そっと持ち上げると、刺は綺麗にそがれていた。
 だれが持ってきてくれたんだろう?

 窓の下を見下ろしたキャロルは、雨どいを伝って壁を下りていく、小さな人影に気がついた。
 結った金髪を乱れさせ、手に包帯を巻いた姿で、地面に下り立ったのは――。

「レオンさま?」

 窓を振り仰いだレオンは、キャロルの姿を見つけると口元に指を立てた。
 しーっ。静かに。