色々と聞きたいことがあったが、廊下から呼ばれてタリアは出ていってしまった。キャロルは顔を洗ってから、こっそり廊下をのぞいて見る。

 タリアは、シザーリオ公爵家の執事であるマルヴォーリオと話し込んでいた。マルヴォーリオは、タリアの夫だ。
 二人は、夫婦そろって公爵家に尽くしてくれているのである。

 不思議な数字は、マルヴォーリオの頭の上にもあった。
 326,214。タリアよりかなり多い。

(男性にも、数字の髪飾りが流行っているのかしら?)