打ち明けたら、きっと、レオンは軽蔑する。
 何の罪もない人々の「好き」と言った回数やレオンの『∞』を見ておきながら、素知らぬふりをしてきたキャロルを、卑怯な人間だと感じるだろう。

 ――レオン様に、嫌われたくない。

 キャロルが、きゅっと唇を閉じると、レオンは甘い溜め息をついた。

「どうしても話せない?」
「はい」
「もっと酷いことをされるとしても?」
「酷いこと、とはどういったことでしょう」
「こういうこと」