「見てはならないもの、ね……」

 寝台がふかりと沈んだ。レオンが、キャロルの隣に腰を下ろしたようだ。

「構わないよ。目隠ししていても、薔薇は手渡せる」

 レオンに手をとられて、瑞々しい茎を握らされた。
 これは六夜目の『愛情』だ。
 今までもらった薔薇のように、白くて清純な花を咲かせているはず。

 ――ほんとうにそうかしら?