「はじめまして。愛犬家の集まりはこちらですか?」
「ええ。レオン様は、十二夜の間は集まりに来られないとおっしゃっていましたが、代理を立てられたのですね。よかったねえ、パトリック」

 白髭のおじいさんに名前を呼ばれると、パトリックは元気にお返事した。

「リードを外して遊ばせてやって。慣れているから柵を越えて行くことはないよ」

 ドッグランに入って、首輪からリードを外すと、パトリックは他の犬と駆けまわりだした。
 帽子を深く下げて顔を隠したキャロルは、おじいさんに問いかける。