「……俺には、あの日からキャロルしか見えていないんだって、どうしたら分かってくれるのかな」

 棚の引き出しをあけて、水晶に掘られたエイルティーク王国の地図版を取り出す。
 椅子に座って膝にのせると、今いる王城がある辺りで、白い光が輝いた。
 
 レオンは、光の座標――キャロルが眠っている方に顔を向けた。

「これがあれば、もう二度と、君を失うことはない」