「レオン様……」

 キャロルを止めたのは、寝息を立てていた王太子だった。
 ハーブ水で眠っていたはずなのに、目はぱっちりと開いていて、指先まで力強い。

「なぜ起きていらっしゃるのです? わたくしがお贈りしたハーブは、お味見なさいませんでしたの?」
「味見は、君の目の前でするよ。だって、君が贈ってくれたあれには、眠くなる効能があるだろう?」

 言い当てられて、キャロルはギクリとした。