レオンとのお茶の時間をのほほんとやりすごし、晩餐も食べ終えたキャロルは、一人で自室にいた。
 寝台にあがり、白いネグリジェにおきたフリルの波を眺めつつ、置き時計の針をなんども確かめる。

 時刻は、夜の十一時過ぎ。
 そろそろ、隣室にいるレオンの眠る支度がととのう頃だ。

 胸がドキドキするのは、三輪目を渡しにくるのを期待しているからではない。
 『秘密の小部屋』を探しに行くタイミングを計っているせいである。