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「那桜さんの言葉を聞いたとき……薄々そうなんじゃないかと思ってた」



私の話を全て聞き終えると
まだ真剣な表情を崩さず
何か考えるように遠くを見る



やっぱり……気持ち悪いよね
もうフラれちゃうのかも……



ここにきて再びネガティブな
思考が私を支配する



「ごめんなさい……黙ってて。実の兄となんて気持ち悪いよね……?もし、もう無理だと思うなら私は……」



「ちょっと待て、そうやってすぐネガティブになるんじゃねえよ」



俊くんはちょっと怒ったような顔で
不機嫌そうに眉を吊り上げると
ギューッと私を抱きしめた。



「……ごめんなさい」



「もう、謝んなくていーんだよ。過去がどうであれ今は俺がいるだろ」



震える体を安心させようと
抱きしめたまま優しく背中を
さすってくれる。



「うん。……確かにあの時は那桜が好きで、私の世界には那桜1人だけだったけど……今は違う。俊くんや、優亜に紀田さん……いろんな人と関わるようになって、少しは変われた気がするの。」



兄の那桜が全てだった
青葉 菜々の人生に



いろいろな要素が増えて
世界が広がった感覚。



「私……自分でも気づかないうちに、いつの間にか俊くんのことで頭がいっぱいで……。もう、好きすぎて仕方ない……離れたくない」



今、内の中にある本心を
全てさらけ出すーーーーー。