「ねえねえ、菜々!さっきどこ行ってたの?」
課題が終わるや否や
すぐ様、私に話しかけてくる優亜
「どこって…いつも通りよ」
「うそ!?また告白!?菜々モテるねー」
モテるなんて言葉
私には必要ない
だってお兄ちゃん以外
興味ないんだもの。
「優亜はイケメン彼氏いるからモテる必要ないじゃん?」
「えっ、あ…うん!」
私の作り笑いに
照れたように笑い返す優亜。
少しばかり嫌気がさす。
紀田さん…。
有名な大手お菓子メーカーの
立派な社長子息。
今は代理で別の…確か不知火って
人が社長をしてるみたいだけど。
正直羨ましい。
友達でありながら私は
彼女を妬ましく思う時が
多々あるーーーーーーー。
私は好きな人と一緒に
いることさえ許されないのに。
どんなに願ったって一生
叶わない…忘れられない恋。
優亜は幸せそうで…
ハッ。
いけない、また黒いオーラを
纏わせるところだったーーーーー。