この前の事が誰かに見られて
噂されてたらと思うと
学校に行くのが嫌になっていた。


誰かとすれ違った時の視線が
怖くてたまらなかった。


それに気づいた淳宏は
麗を隠すように歩いてくれていた。


でも登校して気づいた事があった。


"いつもと変わらない"


それが一番始めに感じた。


帰る方向が同じ人だって
沢山いたはずなのに
誰も何も言って来なかった。


「麗。大丈夫?」


目の前の郁美ですら
何も言ってこない。


「まだ調子悪いなら保健室行く?」


郁美はとても辛そうな表情を浮かべていた。
こんなに心配してくれているのに
黙ってるのが辛くなってきていた。