『……断る。』


「もー!!ちゃんと考えてよね!」


考えたって答えは変わらない。
あんな辛い気持ちになるくらいなら
誰とも付き合う気はなかった。


『……辛いのは嫌だ。』


「ッ!それは麗のせいじゃないよ!

こんなにいい女捕まえたくせに
"一緒にいても常に不安"とか
アホなこと言う奴が悪いんだよ!」


蓋をしていた記憶が
郁美の言葉で少しずつ溢れてきた。


『…とりあえず授業始まるから。』


郁美の言葉を遮り
選択している授業に行くのに
教室を後にした。