この願いは間違っていましたか?

あ、いつはぁぁぁ~~~!!!!

ここで待っとれ言うたのにっ!!
またドコ行きよった!!あんのクソ女っ!!
さすがにバイクで埼玉はキツイやろ(瑞が。)
そう思うて、ツレから車借りて来たっちゅーに!!

もしかして、気ィ変わったんか?

あぁあぁぁあっ!!わからんっ!!!

ピチャ・・
「え?」

なんや?床が・・濡れとる
甘いにおい  ・・・ジュースか?

「!!」

かなりの量やんけ??!!なんで、こんなトコにこぼれとんねん!!
あるイミ、ホラーやでっ??!!


しかし、ココって瑞に待っとけ言うた場所やんけ
???



「奈津くん~~~♪」

後ろで女の声がする。

「ねぇ、これから涼香んちに行くんだけど、一緒に行ってよ~♪」

まぁた、こいつらか・・

はぁ

「・・なん回も言わすなや、俺は行けへん。」


「佐々木さんなら、どっか行ったよ♪?」
――――― は??
1人の女がそう言った。


「ふふっ♪なんか、走って行っちゃったよ~」
「くすくす♪♪」 女達は口々にそう言い、笑っている。

・・ま、さか

俺はゆっくりと顔をあげて、そいつらを見た。


「なにしたん・・?」


「え?」

「おまえら、あいつになにしたん?」

「――!!えっ?!」
「な、なにもしてないよっ!やだな奈津くんっ」

「無理やりにでも吐かせたろか?」

「!!」 「――奈津くん、なに言ってんの??」
「私たちがそんなコトするワケ、あっ!!」

言いかけてやめた女。

「そんなコトって?どんなコト?俺よーわからんから、教えてーな。」
もう怒りなんてもんやなかった
そんなん通り越して、わけわからんよーになってもうた。

「!!な、奈津くん??」
1人の女の腕を掴もうとしたその時、

「ばか!!木崎!こんなトコでなにしてんの!!!」
「-!!」
いきなり後ろから怒鳴り声がした!
振り向くと、仁王立ちした静の姿、

「・・静」
あ、    俺。
「瑞が大変なの!!早く来て!!」
「!!」 静のその言葉に、俺はすぐに反応した。

正気に戻った俺は、その場をはなれ、女たちを残し、静と一緒に走っていた。



「瑞が大変て!どーゆうこっちゃ!」
「それが、準備室にこもって出てこようとしないの!!」
「は?」
「廊下を猛ダッシュしてる瑞を見かけたから、慌てて追いかけたの!で、声かけたら、準備室に入り込んじゃってっ、」
俺らは走りながら、そんないきさつを話していた。

「電話は?」
「かけたけど出ないのよ、瑞!だから、木崎が行けば何とかなるかなぁと思ってさっ、そしたら・・」
静はその後の言葉を続けなかった。

・・・・・・

「静」
「なによ!」
「・・さっきは、サンキュな。・・俺、静が声かけてくれんかったら・・」
「本当に、ばかね!女に手ぇあげようとするなんて!!
もっと精神力鍛えなさいよ!」

「・・おぅ」

「まぁ、瑞のコトで怒ってくれてたから、許すケド。」
 
前を走ってるから、静の顔はようわからんけど、怒ってはいないみたいや

ホンマ、ええツレやんけ。(最初は引いたけどな(笑))

そんなん考えとる間に、瑞が篭りよった準備室へと着いた。

コン・・
「瑞、俺や。」

「・・・・・・」
声をかけても返事がない。
「ホンマに、ココにおるんやろな!」
そう静に言うと、  ガン!
「―――――ってぇ!!」 即、殴られたっ!!
しかも、こいつ容赦ねぇ!!マジ痛てーしっ!!!
さっきんの言葉ァ、撤回や!!

頭を押さえていると、今度は静が、扉に向って話しかけた。

「瑞?木崎連れてきたんだ。ココ開けてよ。」

「・・・・・・」
なんも返答ない。

「もう出たんと・・」 バコッ
言うてる最中に殴られた!
「自分な、もうちーとぐらい手加減してもええんちゃうか?」
「木崎に手加減なんて必要ないでしょ。」
「は??おま、ソレどういう意味なん?なぁ!」
「あ~~~うるさい!!木崎と漫才するために呼んだんじゃないから!!早く、瑞をココから出してよねっ!」

うっ、そおやったっ!!


はぁ、ま。
「とにかく、このドアを開ければいいんやろ?手っ取り早い話。」

「え?ああ、ま、そうだけど」


ガン!!!!

「―――えっつつ!!???」

思いっきり、足でドアを蹴り上げると、あっけなくドアが吹っ飛んだ。

「ちゃっとぉ―――っ!!木崎!!野蛮すぎるっ!!中に居る瑞に当ったらどぉすんのよっつ!!ばか~~~!!」

なにしても、こいつは俺んコト怒るんやな
「まぁ、ええやん♪開いたし♪結果オーライてことで♪」

ゴソ・・

「え?」
「あ」

俺の蹴り上げた扉の下から、人影が・・・

「痛・・」

この声は・・



「き~~~さ~~~き~~~~っ!!!!」
鬼のような顔の静が俺を睨む。
「わっ!待て!!俺が悪かったっ!!まさか、んな見事に当るなんて思わへんしっ!悪かったっ!!!」
ぜってー殺されるっ!!
そう覚悟したが、静はさっさと瑞の側へ近寄って、
「大丈夫?瑞?っとに、木崎のば・・か・・―――――っつ!!」
いきなり、静の声が変わった?

「・・なに?瑞、その髪どうしたの」
か細い声で、そう聞こえた。

――――――――!! 髪??

俯いてる瑞は、手でその頭を隠している。
なんか ・・濡れてね?

――― !!!
こ、これか・・っ、さっき、あいつらが言ってた
あの床のジュースは、こぼれてたんやなく、瑞にかけた跡やったんかっ!!



俺は、ゆっくりと瑞の側へ近づいた。
それに、気付いて、瑞は顔を背け、
「こ、こないでっ・・汚れちゃうよっ・・」
声、震えとるやん
そんなんなっても、俺の方に気ぃ使いやがって

俺の胸は締め付けられたっ・・ 

「・・ごめん、俺のせいや」

俺が小さく呟く。

「は?なに?どーゆうコト??」
静は1人パニクッてる。

「俺ン仲間が、瑞の髪ィこんなんにしたんや」
「――――――はっ??!!!」

「そうやろ?瑞」

「・・・」
瑞に問いかけても、何も言ってくれん
やけど

スッ・・
うずくまって震えている瑞の体を抱いた。

「――――っ!!」

その瞬間、瑞は声を殺して体を小刻みに震わせて泣いた。
ごめん・・  ほんま

「怖い想いさせてもーて ・・ごめん」
抱いた手に力が入る。

「-っうっ・・うっ・・」
瑞の押し殺した泣き声が俺の胸に突き刺さる


痛ってぇ・・・





しばらくそうして抱き合っていると、ようやく瑞が、
「・・も、大丈夫・・だから」 と、口を開いた。

「・・・・」

「?き、さき・・くん?」
「悪ィ、俺が大丈夫やない。」
「え・・」
「そやから、もう少しこのままでいさせてくれ。」

「き、・・木崎・・く・・――――――んっ!!??わっ!!///」
「もう少し、色っぽい声でお願いします。」
「は??――///ちょっ!!なっ、何してるのっつ!!??」

ドサクサ紛れに、俺は瑞の首を舐め、耳を噛んだ。
「!!――っやっ///!!や・・め・・」
「うん♪だんだんイイ声になってきた♪」
「なにバカなコト言ってっ――////っつう!!」

つい、強く耳たぶを噛んでしまった。
「-いっ・・」
顔を歪ませる瑞。

その顔に俺はキスをした。
あまりに愛おしくて・・可愛くて・・

「やっ、どこにっキスしてっ///」
「顔中♪」
「やめ・・うっ///」
しゃべる隙もあたえない程、顔中にキスを降らした。
こんなんじゃ治まらない
こんなんじゃ、俺の気持ちは全然・・・っ



気がつくと、静の姿がない
でも、それがかえって好都合。
俺は瑞の上着のボタンに手をかけ、外していった。
「――!!っえ??っ///」
それを、瑞は手で拒む。
そんな抵抗、無意味なのに。

グィ・・
「きゃ//」
両手を掴みあげ、そこへ押し倒すと、俺は口で瑞の首筋から胸元へと舐め降ろした。
「んっ///」 ピクッ
瑞の体が反応してる
「瑞がかけられたジュース。全てキレイに拭きとったる。」
「えっ??!!やっ・・//めてっ」
そんな小さく震える声が聞こえた

「いやや」
「え??!!!っあのっ///」

俺の言葉に慌てる瑞。

言葉だけやない。俺の表情も見たんやろな



え・・な、んか・・いつもの木崎くんじゃないっ
意地悪なのは前からだけど
今は・・なんか違う  ・・目が・・マジ
あ!!って、だめ・・
「だめ!!こ、こんなトコ、誰かに・・見られ・・」
私がやっと、そう声に出すと、

「かまへん」

って・・?え~~~~~~~~~~~~っつ!!!
まっ、まってまって!!かまうでしょ!!てか!いや~~~~っっ!!!///

「あん//」
あっ///頭とは逆に木崎くんの愛撫で体が感じてしまってる・・っ///

う、でも、ココは大学だし~~~~~~~っ

「-・・お願い・・っ・・」

私の声があまりにも悲痛だったのか、やっと木崎くんの動きが止まった。

「そんなにいやか?」
う////その顔ズルイっ・・

「・・イヤじゃないけど・・っ」
「ケド?」
「ココじゃ・・その・・」


「落ち着いてできないわよねぇ~!!」
「!!!」
「!!」     俺らの後ろから声が・・
て、この声・・っ、
「静っ!!///」

瑞のその叫びに、ため息をつきながら顔だけを向けると、
やはり、そこに立っているのは静。

「はぁ・・、なんだ。いいトコだったのに・・」がっくりと頭を垂れると、
「どこでも発情してんじゃないわよ!!」すかさずその頭に一撃を食らった。

「てぇ~、なっ」
頭をさすりながら静を睨むと、
ん??
「静、お前なにもっとるんや?」
「え?ああコレ?」静の手には空のペットボトル
しかも3本・・
「コーラ♪が――――入ってた♪」

?!! なんや?
「ふふ」静は不気味な笑みをした。

「え?も、もしかして・・」
瑞が恐る恐る口を開いた。

「♪瑞をやったあいつらに同じ目にあってもらっちゃった♪」
静はペットボトルをグシャッと潰した。。
「し、静っ」
「自分。ムチャクチャやな・・」

「あら、だって、木崎に手ぇ出させるわけにもいかないでしょ?それに・・」

「それに?」

「私はすっごく怒ってんの!!」
「――!」
「こんなんじゃ、まだ足りないくらい。」そう言って静は唇を噛んだ。

「静・・・」

「だけどまぁ、木崎に免じて今日はこれくらいにしておくわ。」
「は??なんで俺?」 

「私があいつらに仕返ししてる間にこんなコトしてくれちゃって。怒りも冷めるわ。てゆうか、呆れ?」

「呆れついでに、も1回、どっか行ってくんね?♪」
「えっ??!!」////
「調子にのるんじゃない!!ホラ木崎、どいて!」

強引に俺をどかすと、瑞の手を引っ張った。
「し、静?」
「今から、美容院へ連れていくから、早く立って。」
「!!」
「木崎、バイクでしょ!メット持ってきてよ!」
「お、おう」 
俺らは、静に言われるまま動いた。

静は瑞の頭をハンドタオルで軽く包むと、俺からメットを取り上げ、そのまま被せた。俺はそんな瑞をバイクの後ろに乗せ、静の指定の美容院へと走らせた。