この願いは間違っていましたか?


はぁ~~~
良かった。瑞、無事やって・・

あんま、驚かすなや、あの女っ。

俺、どおしようかな・・こんなんマジで初めてやし。
どうしてええんかわからへん!


~~~~♪~~~~♪

瑞?!! 俺はすぐさま、スマホをとり電話に出た。
「俺や!」
「!――な、なに?奈津??」

アレ?
「奈津!、私!涼香だけど。奈津今ドコ?。」
「あ。ああ家。」
なんや、涼香か。
「・・今から行っていい?」
「・・お・・う」
なにやっとんねん、俺・・
瑞なワケないやん。今頃、家で寝とるやろ。

それから、少しして、涼香が部屋へ来た。
「よぉ。」
「・・・・・」
?なんも言わんと部屋へ入ってくる涼香。
「どないしたんや?」
「それは私が聞きたいよ。」
「は?」

バッ!!
「――――っわっ!!なんや、涼香っ!!」
いきなり、抱きついてきよった!!
「奈津!!瑞ってあの佐々木さんのコトでしょ?!!」
「な、?いきなり・・」
「あんな女に、なにマジになってるの!!おかしいよ!!」
「―――!!!」
「奈津はもっと、女にはクールにしててよ!!それが奈津でしょ!」
「!」
「奈津っ!!」
俺にしがみついて、らしくない程、大声を上げてる涼香
その頭をそっと撫で、
「・・俺らしいって・・俺、自分でもよーわからんのやけど。」

「奈津は、誰のモノにもならないの。いつでも、格好良くないとダメなんだよっ!そんな奈津が私、好きなんだからぁ!!」

―――――――――!!!

プライドの高い涼香が泣いてる?

「うっ・・うっ・・」


しっかし。誰のモノにもならない、て。いつでも格好良く、て。
「涼香、ソレ過大評価しすぎ。俺、そんなんやないし。」
涼香の肩を掴み少し離しても、涼香はまた、しがみついてくる。

はぁ・・

「奈津・・しよ。」
「は?」
「いつもみたいに、して。」

目を潤ませて、顔を見上げてくる
ホンマ。キレーやなぁ・・
男やったら涼香にこんなん言われたら気絶モンやわ。


「・・悪ィ。そんな気分になれへん。」
「―――――!!!」
「また今度な♪」

「・・あの人としたの?」
「はぁぁあ??!!なんで、そうなんねん!!」
いきなり何言うんや、ヤルどころか、キスもまともにさせてくれんわ!!←まあ無理やりしたけど!

「だって!私のコト断るなんて初めてじゃない!!」
あ。あぁ・・そおやったかな
たしかに涼香の頼み、断るんは初めてやったかもな
ガチャ・・
「えっ?――――――――っわっ!!なにしとんのや!!涼香っつ!!」
その細い手は、俺のベルトを外しにかかっとる!!
「ちょ//」
ジーンズを少し下げられたと思うと、ソコに手を入れてくる。
「―――――――!!りょ・・」
「するの!」
「――待てって・・」
「ダメ。」 そう言って涼香の手の動きが早まる。
俺は、頭とその・・ソレは反比例でっ・・

「したくなってきたでしょ♪奈津~♪」
俺の異変を喜ぶかのように涼香の手は容赦なく動く。

――しちまうか・・

涼香の腕を掴んで、ジーンズから手を出させると、その体を抱きかかえて、ベッドへと沈めた。
首筋を舐めると、涼香の甘い声が漏れる。
俺の手がスカートの中へ入ると、背中に巻きついた細い腕に力が入った。
あぁ・・入れてぇ  ・・瑞
―――――――――――!!!!!
ガバッ!!!
「えっ?なに奈津?」

涼香の体から、思いっきり離れてしまった。

な・・なに??今、俺 ・・瑞って
目の前におんのは涼香やで?!!

さ・・最低や・・・

「奈津?」
顔を近づけてくる涼香に、俺は静かに声を出した。

「悪ィ・帰ってくんね?」 これ以上無理や。
「―――え?!」

「帰らんのやったら、俺が出てくわ。」
そう言って立ち上がると、

「ばか!!奈津!!最低っ!!!」
涼香は大声で叫ぶと、部屋から出て行ってしもうた。


ホンマ・・最低やわ・・俺。

はぁ。ベッドに腰掛けて、俯いた。

その視線の先に、俺のスマホが映った。
「・・・瑞、熱下がったかな。」
スマホを手に取り、着暦画面を開くと 

涼香の名の後に
前の・・瑞からの着暦・・

はぁ・・・
声聞きて・・
ピッ。 俺はついボタンを押してもうた。
~~~♪~~~♪
出ぇへんかな・・
まだ寝とるかな・・
そんなん考えとっても
・・瑞が電話に出るコトはなかった。