この願いは間違っていましたか?

《奈津area》

ガチャ・・
ん?俺、鍵開けっ放しやったか?

ドアに鍵がかかってないことを不信に思いながらも、部屋に入って瑞の居る部屋へと直行した。

「瑞。起きとる・・―――!!」

え?!!おらん??!!
なっ、ドコ行ったんやっ!あの熱で!!まさか誰かに拉致られたん?

スマホにかけてみたが繋がらねぇ
「ちっ!」
バイクのキーを取って、ふたたび部屋から出ると、すぐに駐輪場においてあるバイクにまたがった。
「静っちゅー女、捜す方が先やな。」
俺は大学へとバイクを走らせた。

「あれ?奈津くん~~帰ったんじゃなかったの?」
サークルの女達や。丁度ええ。
「なぁ、なんとか静っちゅう女知らん?」
「あはは♪なにその、なんとか静って~~♪」
「なんとか静ちゃんはわかんないけどぉ、香桜静サンなら、さっき見かけたよ~」
「その人でいいの?」
「―――う、まぁええやろ!」 ええんか??!!

「そいつドコおった?」
「ランチルーム」
ランチルームしかいかんのか、あの女はっ!

「サンキュ。」
そう礼を言うと急いでランチルームへ向った。

「あ~奈津くん、涼香が用事あるってぇ~~」
小さくそんな声が聞こえたけど、
今は、んなコトにかもうてられんのや。


バッ!

いきおいよくランチルームに入り、なんとか静てのを探した。

「きゃはははっ♪」

ん?このバカ声・・
振り向くと、

「居た!なんとか静。」

俺が近づいていくと、向こうも俺に気付いて手をふってきた。
「お~~木崎奈津じゃ~~ん♪」
「・・余裕やな。」
「は?なにが?」
「瑞が消えた。」
「はぁあ~~~???」
思いっきり驚いとる・・てコトは知らんのやな、瑞の行き場所。

「ちょっ、瑞、熱あるんじゃないの~~??なんで、出したのよっつ!!」そう言って、俺の胸倉を掴んできた!
「わっつ!!知るか!俺が講義受けて帰ってきたら居なかったんじゃ」
「なんで、講義なんか受けにきてんのよっ!バカ!」
「――――――!!」
こ、この女っ!ちょー自己中―――!!!

「文句は後からにしてや!今は瑞のコト探してんねん!」
「あ!」
やっと、手を外してくれよったで
はぁ・・

「瑞んちかけてみる!」
なんとか静は、すぐにスマホを取り出し、瑞んちに電話をかけ始めた。

~~♪~~♪~~♪
カチャ
「あ!都さん?私、静だけど!うん、うん」

なにやらしゃべっとる
どうやら、瑞んちの家族と話とるらしいな・・

ピッ・・
お。終わった!
「どおやった?瑞おんのか?」
「うん♪家に居たって~~♪良かったぁ~~~」

は・・そっか・・
「はぁぁぁぁぁ」
つい俺まで安堵のため息が、

ん?
見ると、なんとか静が、俺を見てニヤついとる。

「なんや、その目ぇは。」

「ふふん♪別に~~、気にしないで♪」
き、  「気になるやろ!不気味すぎんぞ?」
「ぶ!不気味って失礼なヤツねぇ~~!!ただ、」
「ただ?」
「瑞、愛されてるなぁ~~と思ってさ♪彼カノでもないのに♪」
「うっ!///」
そ、そや・・俺ら、付き合うてないんや・・

「な!なんとか静!」
「なっ、なによっ!その呼び名!!私の名は香桜静よっ!!
別に、なんとかって付けなくても静だけでいいってーの!」
「あー、なるほど・・
で!な・・じゃなくて、静、」
「なによ!」
「瑞って、その・・俺のコト、好きなんかな?」

俺のその言葉に、一瞬、ランチルーム内が静まった・・
「え・・?」

「木崎――、ちょーっと外でようか?」
顔を引きつらせた静が、指をあっちに向けそう言った。

??

「奈津!!」

「え?」
名前を呼ばれて振り向くと、そこには

「?涼香。」

なんか、キレイな顔がすっげー怖い顔になっとる?
「なに今のセリフ!」
?なんか変なコト言うたか?俺?

「奈津らしくない、なにソレ!」
「は?なんや、俺らしゅうーないって!」

「木崎、木崎!外、外いこ。」
静が珍しく小さな声でそう言い、俺の腕を引っ張った。

「・・お・・う」


「奈津!!」

叫ぶ涼香をおいて、俺と静はランチルームから出た。

「なんやねん、涼香のやつ。」
イラだった声を出してる俺に、静が
「木崎って、けっこー自分のコトわかってないよね。」
「は?」

「さっきのあの子の叫ぶキモチは、お姉さん、良~~くわかるよ♪」
なにがお姉さんや、小うるさいババァやんけ(笑)
「木崎が女相手に、そんな弱気な発言したコトなんて、ないでしょ?」

――!え・・あ、 「・・あぁ。そう言われてみれば・・」

「誰だって驚くって!キャンパス一のイイ男+遊び人の言葉とは思えないーって♪」

「おいおい、なんやソレは!」
「自覚ないわけじゃないでしょ?」

んー、まぁ。女には不自由したコトはねぇケド・・・
遊び人て・・
俺、ただ断るんメンドーやし、皆、可愛いかったし、
て、だけなんやけどな・・付き合ったりしとんの。
そんなんやから、付き合う人数が増えとるだけで・・


「それはまずおいといて、さっきの話の続きしようか?」
「え?」  ・・・ああ
「瑞が木崎のコト好きなのかどうか。」
「・・・」
「瑞は・・」

瑞は?

「木崎のコト・・」

俺んコト・・・


「・・・・・・・・」

は、はよ、言えや!


「だ・・」

だ?!

「大好きだと思うよ♪」
「!!!」
―――――――――!!!!

「えっ、ま、マジで??ホンマかいな?」
「うーん。私が見る限りでは、そーとー好きだよ。」

ほ、ホンマに?


うわっ//////―――――――――――!!!
どうしたんや、俺っ・・


すっげ―――――――嬉しい??
おもわず片手で顔を押さえた!
顔っ、熱ィっ!!


「木崎?」
「わっ!!///」
静が俺の顔を覗きこんでくる。
「顔、真っ赤。」
「――――!!!///」
あほぅ!!んなコトわかっとるわっ!!!!

「え、木崎って実はそんなキャラだったの?」
「う、うるせぇ!!////」

「かわいい~~~♪♪」
静は、俺のその姿を見ておちょくりやがる///
くっそ、こいつぜってーSだ!!

「やけどっ!それならなんで、瑞は俺と付き合わへんのやろ?」
静からのイジリを阻止すべく、俺がそう聞くと、
「それは、木崎の素行が悪すぎるからじゃないの?」
「えっつ!!瑞、そんなん言うとったんか?」
「それが、瑞は何も言わないのよ。好きなくせに付き合わない、その理由は。」

ああ・・ビビった!

・・・・そぉか。静にも言わんのか

「でも、木崎が瑞にこんなにマジになってるなんてねぇ~~意外っ!」
~~~~~////
それは
「自分かて・・驚いとんのや。」
「へぇ・・」
「・・別に最初はどうでもいいカンジやったケド、なんか・・話とか、行動とか・・笑おた顔見てるウチに、よーわからんけど、すごく気になってしょーがなくなったんや。
ヤベッ///言うててハズかしいわ!!」

「・・木崎」

「ま、まずは帰るで!///瑞の居場所もわかったしな!
ほなな、静!」
俺は恥ずかしくて、静の顔もまともに見られんようになっとったから、その場を逃げるようにして立ち去った。


その後を見つめる多数の目には気付きもしないで・・



《瑞area》


帰ってきちゃった・・・

何も言わないで。  木崎くん、怒ってるかな・・
また、怒らせちゃったかな・・


さっき、静から電話あったって、お母さんが言ってたけど
なんだろ・・

あ・・アレ?なんで静から家に電話が入るの?



・・・・・やめよ。頭痛くなってきた
少し・・眠い・・・