花を飼う。

タチバナ君は今日、この部屋に引っ越して来たらしい。


「今日から宜しく」


自身の荷物を部屋の中に積み終えると、タチバナ君は一息吐く。


「そうだ、まだ聞いていなかったね。きみ、名前は何て言うんだ?」


名前を問われた事に驚いた。


「名前?わたしの?」


わたしの名前を問う人間に出会ったのは、初めての事だった。