三ヶ月はあっという間だった。
ある程度の打ち合わせは既に終わらせていたので結婚式に関しては落ち着いたのだが、夏季は綾芽の仕事が忙しく、なかなか会う時間が取れなかった。
そのため俊介は夜に綾芽の家に会いに行くなどしてなんとか時間を作ってやりくりしていた。
そしてようやく挙式の日、俊介は予定時間に間に合うように会場に向かった。
会場の前で待っていると、綾芽が向こうから小走りでやって来た。大きな紙袋を持っているが、一体何が入っているのだろうか。
「俊介さん、今日はよろしくお願いします」
綾芽はペコリと頭を下げた。
「《《今日から》》、よろしくな」
言い直すと、綾芽は照れたように笑みを浮かべた。
俊介と綾芽はスタッフに挨拶を終えた後別々の部屋に入った。
綾芽の着替えはスタッフが手伝うようだが、俊介は一人でも着られる。執事時代に散々着たから、モーニングコートなどお手の物だった。
綾芽が着替え終わるまで、俊介は控室で指輪のチェックをしていた。
結婚指輪はあれから二人で一緒に買いに行った。結婚指輪は婚約指輪に比べてシンプルな見た目にものが多いため、意外とすんなり決まったが、あまりの値段の高さに驚いたのか綾芽は終始目を覆っていた。
それでも二人で一緒に決めた指輪だ。俊介は指輪を見つめてなんだか感慨深い気持ちになった。
綾芽と出会ったから色々なことがあった。当初はまさか彼女と結婚するなどと思っても見なかったが、あの時綾芽に声をかけてよかったと思っている。彼女もそう思ってくれているだろうか。
扉をノックする音がして、スタッフの女性が入って来た。
「青葉様、花嫁様のお着替えが終わりましたので、ご覧になりますか?」
俊介は是非、と頷いた。
綾芽の控室はすぐ隣だ。俊介はなんだか突然緊張してきた。当日だからかもしれない。
ノックをすると、中から声がした。俊介は思い切って扉を開けた。
綾芽はこちらを向いて待っていた。彼女が選んだのは長い袖のタイプのウェディングドレスだ。綾芽は華奢だからよく似合っている。長い髪も綺麗に束ねて、清楚だがいつもより少し色っぽい。お世辞抜きで綺麗だと思った。
俊介が言葉を失っていると、スタッフの女性が「とてもお綺麗な花嫁様ですね」と代わりに代弁してくれた。そうですね、と返すのがやっとだった。
「綾芽さん……」
「似合ってますか?」
綾芽ははにかみながらドレスの裾を持ち上げた。
「よく……似合ってる。ん……?」
俊介はふと、綾芽の顔の横に目をやった。なんだか見覚えがあると思ったら、自分がいつか綾芽にプレゼントしたイヤリングだった。まさか、彼女はわざわざ持って来たのだろうか。
「綾芽さん、それ……俺があげたやつだよな」
「はい。俊介さんが初めてくれてプレゼントです」
「安物でごめん」
「私にとってはどんな高価なものより大事なイヤリングです。だから、今日着けたかったんです」
それは何よりも嬉しい一言だった。二年前に贈ったものを今も大事に取っておいてくれたかと思うと、まだ結婚式が始まってもいないのにほろっときてしまいそうだ。
「でも、もう一つあるんですよ」
「もう一つ?」
綾芽はあとで教えますね、と内緒のポーズをした。
ある程度の打ち合わせは既に終わらせていたので結婚式に関しては落ち着いたのだが、夏季は綾芽の仕事が忙しく、なかなか会う時間が取れなかった。
そのため俊介は夜に綾芽の家に会いに行くなどしてなんとか時間を作ってやりくりしていた。
そしてようやく挙式の日、俊介は予定時間に間に合うように会場に向かった。
会場の前で待っていると、綾芽が向こうから小走りでやって来た。大きな紙袋を持っているが、一体何が入っているのだろうか。
「俊介さん、今日はよろしくお願いします」
綾芽はペコリと頭を下げた。
「《《今日から》》、よろしくな」
言い直すと、綾芽は照れたように笑みを浮かべた。
俊介と綾芽はスタッフに挨拶を終えた後別々の部屋に入った。
綾芽の着替えはスタッフが手伝うようだが、俊介は一人でも着られる。執事時代に散々着たから、モーニングコートなどお手の物だった。
綾芽が着替え終わるまで、俊介は控室で指輪のチェックをしていた。
結婚指輪はあれから二人で一緒に買いに行った。結婚指輪は婚約指輪に比べてシンプルな見た目にものが多いため、意外とすんなり決まったが、あまりの値段の高さに驚いたのか綾芽は終始目を覆っていた。
それでも二人で一緒に決めた指輪だ。俊介は指輪を見つめてなんだか感慨深い気持ちになった。
綾芽と出会ったから色々なことがあった。当初はまさか彼女と結婚するなどと思っても見なかったが、あの時綾芽に声をかけてよかったと思っている。彼女もそう思ってくれているだろうか。
扉をノックする音がして、スタッフの女性が入って来た。
「青葉様、花嫁様のお着替えが終わりましたので、ご覧になりますか?」
俊介は是非、と頷いた。
綾芽の控室はすぐ隣だ。俊介はなんだか突然緊張してきた。当日だからかもしれない。
ノックをすると、中から声がした。俊介は思い切って扉を開けた。
綾芽はこちらを向いて待っていた。彼女が選んだのは長い袖のタイプのウェディングドレスだ。綾芽は華奢だからよく似合っている。長い髪も綺麗に束ねて、清楚だがいつもより少し色っぽい。お世辞抜きで綺麗だと思った。
俊介が言葉を失っていると、スタッフの女性が「とてもお綺麗な花嫁様ですね」と代わりに代弁してくれた。そうですね、と返すのがやっとだった。
「綾芽さん……」
「似合ってますか?」
綾芽ははにかみながらドレスの裾を持ち上げた。
「よく……似合ってる。ん……?」
俊介はふと、綾芽の顔の横に目をやった。なんだか見覚えがあると思ったら、自分がいつか綾芽にプレゼントしたイヤリングだった。まさか、彼女はわざわざ持って来たのだろうか。
「綾芽さん、それ……俺があげたやつだよな」
「はい。俊介さんが初めてくれてプレゼントです」
「安物でごめん」
「私にとってはどんな高価なものより大事なイヤリングです。だから、今日着けたかったんです」
それは何よりも嬉しい一言だった。二年前に贈ったものを今も大事に取っておいてくれたかと思うと、まだ結婚式が始まってもいないのにほろっときてしまいそうだ。
「でも、もう一つあるんですよ」
「もう一つ?」
綾芽はあとで教えますね、と内緒のポーズをした。



