あふれるほどの愛と涙を、キミに。


恋木くんについて行き、到着したのはデパート内のカフェだった。
すごく大人っぽい雰囲気で、興味はあったけれどまさか恋木くんと今日行くだなんて。


メニューを見て、しばらくスイーツの写真たちと睨めっこをした末に、わたしはいちごパフェを選んだ。恋木くんは、その横にあるチョコレートパフェ。


向かい側には恋木くんが座っていて、なんだかソワソワしてしまう。

目鼻立ちが整っていて、少し日焼けした肌の恋木くん。

見れば見るほど、心臓が落ち着かないや。


そんな気持ちをごまかしていたくて、俯きながら足を小さくばたつかせていると、ウェイトレスさんがパフェを置きに来てくれた。



「姉貴がここのスイーツ、ほんとに好きでさー。気がついたら俺も結構好きになってた」



「お姉さんがいるの!?」



「そーそー、4歳差のね」



お姉さん、か。
女子であるわたしに優しいのも、やっぱりお姉さんがいるからなのかなぁ。

恋木くんのお姉さんって、どんな感じなんだろう。


恋木くん、こんなに顔が整っているし、お姉さんも美人さんなんだろうなぁ……。
恋木くんに似ているのかなぁ……。



「岡崎は、兄弟いる?」



「ううん、わたしは一人っ子なの」