アルバムを開く。
そこには梨緒の幼い頃からの写真(きおく)
が記されていた。


《小さいピンクの服を着た赤ちゃんの写真》 
下には
−−7月7日 りおちゃんたんじょう!−−
と、かわいい字で書かれている。

   梨緒の生まれは愛知県名古屋市。
   2400gの小さな女の子。


《人形をギュッと抱きかかえ小さい手で
お母さんの服を引っ張る梨緒》
下には
−−りお2歳 いまだ甘えん坊まっさかり−−
と、書かれている。

   実は幼い頃は病気がちで、
   よく入退院を繰り返していた。
   だから人への免疫が少なく、
 いつもお母さんにべったり甘えていた。


〜〜そんな梨緒は、同じアパートに住む同じ年の2人と出逢う〜〜


《アパートで母と子、3世帯で初めて写った写真》
下には
−−同じ年のりょうすけくんとゆうすけくんと−−
と、書かれている。

梨緒4歳。その写真の梨緒はお母さんの足につかまってお母さんの陰に隠れている。
初めは恥ずかしくて隠れてばかり。
他人と、同年代の子と、ましてや男の子と。
どう関わっていいか分からなかった。


《幼稚園の裏山での写真。『ゴー!』と引き連れる祐介に、亮輔は一生懸命『こっちだよ』と梨緒の手を引っ張る》
下には
−−3人で冒険へレッツゴー!−−
と、書かれている。

 祐介の強引な勧誘と亮輔のやさしさで
    段々仲良くなっていく3人。
  3人ならどこまでも行ける気がした。


《祐介が自分よりも大きい犬から梨緒を大きく手を広げて守っている写真。》
下には
−−りおちゃんを守る ナイト−−
と、書かれている。

  祐介のたくましさで何度も救われた。


《亮輔が折り紙を丁寧に梨緒に教えている写真。》
下には
−−やさしくリードしてくれる王子様−−
と、書かれている。

   亮輔はやさしく導いてくれた。


 そんな2人の事を梨緒は大好きだった。