君と自信を見間違えながら作った手料理も
とうとう飽和状態を迎えながら沸々と煮たつ

いつものヤカンから吐き出す蒸気の量で
君の機嫌を図るようになり
いつの間にか君の影も避けるようになっていった

君が困る事に喜びを感じるようになり
逆に君の笑顔で僕は不安になっていった

こぼれ落ちるヤカンから滲む僕たちの沸点は
まるで神風の祟りのようでした

本当に傷つく事に意味があるのかと考えながら
君に文句を言わせようと今日だってイタズラを
企んでいるんだ

最愛の人なんていないよ
確かな事があるならば僕は僕のような何かを増やし
自己嫌悪に陥りながら自分に似ている許せない部分を
一人だけの時間にグツグツと激らせる