三好くんの仰せのままに



みゃーことは、会おうと思えばすぐに会える。

晴れの日は欠かさず、水遣りに登校するからだ。




予想通り、その日もしっかり登校していた。

俺が部屋で思い出に浸りながら、膝を抱えてみゃーこを待っていた日々も、きっと彼女は元気よく登校していたのかと思うと、なんだかどうにも納得はできないけれど。



くるんと毛先が跳ねたポニーテールが揺れている。数週間ぶりに見たそれがもはや懐かしくて、しんどくなった。



去年の夏は、話しかけられなかった。

でも、ことしの夏は、話しかける。


おとこを見せろ、三好稀。




「みゃーこ」



じりじりと、暑い夏。まだまだ終わりそうにはないけれど、必ずおわりがくることを知っている。


名前を呼ぶと、彼女が振り返った。久しぶりに見たら、前よりもさらにかわいくなっている気がして、どきどきする。


こちらの緊張具合とは裏腹に、顔を見せた彼女はわらっていた。



「三好くん!お怪我はだいじょうぶですか?」

「え、」

「ああ、これは嫌味です」



まるい瞳に映るじぶんは、ぜんぜん、ちっともかっこよくなくて。
 
だけど、それは。

だれかひとりに受け止めてほしかった、ありのままの、いまの、ほんとうの俺だった。