三好くんの仰せのままに


話しかけたい。その瞳に映り込みたい。


彼女のほうは俺に気付いているのかいないのか、とくにこちらに視線を向けることはない。


いつもの俺なら、話しかけにいったと思う。さりげないかんじで、適切な距離感で、それができたと思う。


でも、このときの俺は、スプリンクラーを片付けるところまでしっかりと見届けた後に、廊下を走って逃げ出した。





園田都を前にするとかっこわるくなる三好稀は、このときからすでに始まっていたらしい。





ヒマワリ畑の女子生徒が、園田都という名前なのは後からこっそり知った。

2年生になったとき、峰が同じクラスになったからうらやましくて、かわれよ!交換しろよ!と命令したけど無視された。あいつ、まじで俺の命令きかないじゃん。


とりあえず残念ながら、園田都は俺のファンではないらしい。


手作りのお菓子をくれたこともないし、昼休みのサッカーを観に来ないし、俺のジャージ盗んだりしないし。


なんなら、話しかけてもらったこともないし、無理やり接点をつくろうともしてこない。


むしろ興味も持たれてない、ていうか存在を知られていないところまで危惧したけれど。



───たまに、ものすごく、あつい視線を感じることに気がついた。