映画についての感想は、何も出てこないので割愛。

なぜなら、まったく集中できなくて、ちっとも記憶に残っていないからだ。



覚えているのは、重なったくちびるの感触と、傾けた三好くんの顔の角度と。

その瞬間の、スローモーションな世界。



わたし、はれんちなのでは?!と焦るくらいに、キスのことであたまがいっぱいになってしまった。




でも、そのくちびるが離れて、ふたり、おどろきの目と目を合わせて、へんな声を短く漏らして以来。



三好くんはその件について、一切ふれてくることはなかった。