様子のおかしい三好くんだけど、峰くんが戻ってきて、交代にわたしが着替えに行って。

それから、お昼ごはんを食べる頃には、ふつうの三好くんに戻っていた。



根拠は、苦手なナスをわたしの器にこっそり移動させてきたこと。


わたしもナスが大得意ってわけじゃないのだけど、三好くんのためなら仕方ないか、という心意気で、ぱくっとひとくちで食べた。


きょうの献立は、旬の野菜の天ぷらうどん。おかわりが欲しいくらいおいしかったけど、三好くんの前だと恥ずかしいから我慢した。


ちなみに、稀さま専属メイドの福利厚生は、交通費と、三好邸のお抱えシェフが作ってくれる栄養バランス満点のお昼ごはんだ。


三好邸に咲き乱れる花々のお手入れを手伝ったあげたことがあって、それ以来、わたしはけっこう三好邸の使用人軍団から可愛がってもらっている。


ほらね!女は愛嬌ですからね!



そんなわけで、昼食の片付けを手伝って、先に部屋に戻っている三好くんのところに戻ろうとすると。



「おつかれ〜!」



執事の格好をしながらも、爽やかモードな峰くんと廊下で遭遇した。