「〜〜っか、」
「か?」
「か、かわいいです、どうしてそんなにかわいいんですか?今日も尊いです、ありがとうございます」
なむなむ、彼に向かって拝むのは久しぶりだ。三好くんという存在を前にすると、もう、ありがたがってしまう。
拝まれているご本人は、何かが不服らしく、何かを言いたそうに見える。
口を開くのを待ってみたけど、けっきょく彼は、わたしのほっぺたを自由な左手で柔くつねるだけだった。
「いひゃいれす」
「ふん」
「みよひくん」
ほっぺたが、ふに、とつままれているので、うまく喋れない。離してほしくて名前を呼ぶと、「オマエはなんでもすぐに口に出すからずるい」と言われた。
ずるい?そんなのは、三好くんのほうだよ。
そう言い返そうとすると、三好くんが、あまったるい色を含んだ視線でこちらを見つめて。
近い距離で顔を見合わせて、
「ねえ、なんでそんなに、かわ───」



