セカンド・ファーストラブ

* * *

「杏寿ちゃん全然飲んでないじゃんもっと飲みなよ〜俺注文してあげるから!何がいい?」

「いや、まだ入ってるんで」

「杏寿ちゃんオレンジジュース好きって言ってたよね?なら俺のおすすめはスクリュードライバーかな。オレンジジュース入ってるから好きだと思うよ〜」


全く話も聞かない上にさりげなく度数の高いお酒を平然と勧めてくる男に引く。


名前はケイゴだったか、そんな感じだった気がする目の前の男の人は、隣に座ってさっきから何かと話しかけてくるけれど、軽薄そうな空気が苦手だった。


やっぱり、私は合コンは好きじゃない。私の引きがただ単に悪いだけなのかもしれないけど、合コンでピンとくる人に出会ったことがない。

むしろ苦手だと思うような人達の方が多くて、始まってまだ1時間も経ってないのに早くも帰りたくなってくる。



「ごめんなさい、少しお手洗い行ってきますね」


そう言って、既に酔ってるのかべったりくっついてきていた男から勢いよく離れた。


なるべく時間稼ぎするために、ゆっくり化粧直しでもしようかと思ってポーチとスマートフォンも手に取る。その時にお気に入りの口紅をトレンチコートのポケットに入れていたことを思い出して、ハンガーに掛けていたトレンチコートのポケットの中を漁る。


ポケットに手を突っ込めば口紅の硬い感触以外に、クシャ、という紙のような感触があった。