セカンド・ファーストラブ

璃咲がローズピンクに彩られた唇にキャラメルマキアートが入ったカップを近づける。そして喉に流し込むなり私を見てニヤリと笑った。


「もうこうなりゃ今日の合コンで出会った丁度よさそうな男で練習でもすれば?」

「れ、練習ってなんの?」

「なにって、誘惑?」

「なっ、そんなの絶対無理!」


何を言い出すかと思えばそんな突拍子もないことで、さすがに私には難易度が高すぎると否定する。


「無理とか言ってる場合?5年前好きになって今まで何もなかったんだからもうなりふり構ってられないでしょ。ピュアピュアだった高校生の頃とは違うんだし、あざとくても足掻いてもいいんじゃないの」


璃咲の言葉にハッとする。そうだ、もう綺麗なままの恋ではだめだって気づいたのに。


抹茶ラテを決意とともに飲み込んで、璃咲を真っ直ぐ見つめて頷いて見せた。


「今度こそはできる限り足掻いてみようと思う」


カフェの窓から差し込む西日に目を細めて、璃咲が「そうこなくっちゃ」と笑う。



「とりあえずは今日の合コン気合い入れて行くよ」


そう言ってニンマリ笑う璃咲に、誘惑の練習はしないけどね?と口には出さず心の中で否定しておいた。