* * *
高校の時をぼんやり思い出しながら私の髪を巻く木崎くんの震える指先を見てた。
私の髪を掬う荒れた指先も、真摯な眼差しも、少し減った口数も。努力なんてせずとも完璧に熟してしまいそうなイメージのあった木崎くんだけど、そこからは確かに努力が垣間見える。完璧に見える木崎くんの、完璧じゃないとこ。
ああ、あの時だって私余裕そうな木崎くんの余裕じゃないとこ見て落ちたんだったなあ。
あの頃の私は幼くて、急に自覚した恋にどうしていいかわからずに、木崎くんに話しかけるどころか避けてしまっていたのだから結局何もないまま終わってしまったのだけれど。
今思えば、見ているだけで満足だと思い込んでいたかった恋だった。木崎くんが私を好きになることなんて想像できなかったから、どうせ叶わないのなら綺麗な恋のまま終わらせたいって思っていたから。
だけど綺麗なまま終わらせた恋には未練はつきものなのかもしれない。
だってまた同じようなシーンで落ちるなんて。私の中に木崎くんがずっと居座っていた証拠じゃないか、どうしようもないな。
今更なにができるっていうんだろうって思う。だけどあの頃の私と違うのは私が少なからず大人になってしまったということ。
もう綺麗なだけじゃ駄目なんだってことも、わかっているつもりだ。
高校の時をぼんやり思い出しながら私の髪を巻く木崎くんの震える指先を見てた。
私の髪を掬う荒れた指先も、真摯な眼差しも、少し減った口数も。努力なんてせずとも完璧に熟してしまいそうなイメージのあった木崎くんだけど、そこからは確かに努力が垣間見える。完璧に見える木崎くんの、完璧じゃないとこ。
ああ、あの時だって私余裕そうな木崎くんの余裕じゃないとこ見て落ちたんだったなあ。
あの頃の私は幼くて、急に自覚した恋にどうしていいかわからずに、木崎くんに話しかけるどころか避けてしまっていたのだから結局何もないまま終わってしまったのだけれど。
今思えば、見ているだけで満足だと思い込んでいたかった恋だった。木崎くんが私を好きになることなんて想像できなかったから、どうせ叶わないのなら綺麗な恋のまま終わらせたいって思っていたから。
だけど綺麗なまま終わらせた恋には未練はつきものなのかもしれない。
だってまた同じようなシーンで落ちるなんて。私の中に木崎くんがずっと居座っていた証拠じゃないか、どうしようもないな。
今更なにができるっていうんだろうって思う。だけどあの頃の私と違うのは私が少なからず大人になってしまったということ。
もう綺麗なだけじゃ駄目なんだってことも、わかっているつもりだ。



