あとの2つはどうしよう。

 借り人競争は変なのを引いたら嫌だし、二人三脚と玉入れにしようかな。


 クラスメイトには借り人競争が1番人気があったようで、私の希望はすんなりと通った。


「二人三脚の人はペアを決めるくじをします。男女ペアになります」

 えっ。

 てっきり女の子同士でペアになるものだと思っていた。

 説明を聞き逃していただろうか。


 不安になりながらも女子用の箱からくじを引く。5番だ。


「5番の人ー」

 声を出して周囲を窺う。


 すると寄ってくる人影があった。

 嘘。


「はい、俺」

 梓に差し出された紙には、しっかりと5番の文字が書かれている。


「え! 永瀬さん、梓とペアなのー? いいなあ。私のくじと交換してほしい」

 華麗な女の子が近寄ってきて囁いた。


 どうしよう。何て言えば。


 言われた瞬間、嫌だと思った。

 でも、そう答えてしまったら余計な軋轢を生んでしまいそうだ。

 それに、梓が好きなのかと勘違いされかねない。私にとって男子の中で1番の友好関係にあるのが梓だから、という理由なのに。


「ね、お願い!」

 どうしよう。断りたい。