試験が終わるとまた席替えをするのかと思いきや、もうあとちょっとで夏休みになるからか、そのまま名簿順の席でいくようだった。


「今からテストを返します。筆箱は仕舞って」

 数学の先生が教室に入るなりにそう言う。


「あと補習を受けてもらう人がいます。点数の横に書いてあるので確認するように」


 ほ……しゅう……?

 数学にはそんなものが用意されていたのか。聞いていない。まずい。


 テスト用紙を受け取り、点数を確認する。

 横にはしっかりと「補習対象者」の文字が記されていた。


 模範解答のプリントと照らし合わせながら、血眼になって採点ミスがないか探すが、見当たらない。

 かなりショックだった。
 人生で補習を受けさせられるのは初めてだ。


 それなりに成績の良い人たちが集まってくるこの高校では、下の方になってしまったらしい。