「梓は先輩と付き合いだしたのかもって思ってた」
ずっと悩んでいたことを吐露した。
「先輩?」
「よくうちのクラスに来て梓と話している美人の先輩。前にヘアアイロンを渡していた人」
「ああ。その人、兄貴の彼女だよ」
「なんだ……」
お兄さんの彼女さんだったんだ。
それなら納得がいく。
文化祭で会ったとき、お兄さんは別の高校の制服を着ていた。
だから、同じ高校である梓が先輩に忘れ物を届けたとしてもなんら不思議じゃない。
「凄く、梓と仲が良さそうだったから」
梓と先輩の距離が近かったことを思い出して、つい不満げに言ってしまった。



