隣の圏外さん



 約束の日になり、倫太郎君の家を目指して、駅からの道を歩く。


 地図は事前に教えてもらっていたけど、今どのあたりにいるのかをメッセージで送ると、倫太郎君が指示を返してくれる。

 道を教えてもらいながら、歩いている感じだ。


 ふと、次に目印になるものはないかと顔を上げると、そこにはよく見知った顔があった。


「え、梓?」

 こんなところで会うなんて驚きだ。


 そう言えば、梓の家もこのあたりなんだったっけ。

 オープンキャンパスに行った日の、帰りの会話を思い出す。