「と言っても、この辺りは、カフェも図書館も勉強禁止のところが多いよね」

 そう言いながら、記憶を辿る。


 勉強するのによさそうなところ、どこかにあったっけ。


「あー、じゃあうちん家くる? 週末に姉が荷物を取りに来るって言っていたから、ちょっとうるさい可能性はあるけど」


「ええ! いいの?」

 本日2度目の、ビックリしてしまう提案である。

 倫太郎君のお家が候補に挙がるとは思わなかった。


「多少散らかっていてもよければ」

「そんなの、問題ないに決まっているよ」

「じゃあ決まりね」

 あの倫太郎君のサービス精神が旺盛で、ちょっと怖いくらいだ。