「先生から、2人とも奨励賞をもらったって聞いてさ。お菓子パーティーやろうってなった」

 2年生の先輩はニッと笑った。


「嬉しいです! ありがとうございます」

 そう言いながら喜んで席に着く。


「先輩たちが菓子パをやりたかっただけでしょ」

「ぶっ飛ばすぞ倫太郎」

 2年生の先輩も倫太郎君には気の置けない態度だ。

 親密感があって、ちょっと羨ましい。


「まさか倫太郎まで賞をもらってくるとはねー」

「私らも次は最後だし、頑張っちゃう?」

「今まで真面目に参加してなかったのに、まともな結果を残せるのか?」

「それはここに2人の入賞の先輩がいるからさ。教えを乞う」

 先輩方が談笑されているのを眺めつつ、お菓子をむさぼる。


「各部門って学校ごとに人数制限なかったっけ」

 先輩方の話を聞いていた倫太郎君が私に尋ねた。


「あるね。後輩も入ってきてくれるかもしれないし、もし人数がいっぱいになったら、私はアナウンス部門に挑戦してみようかな」


 確か規定の秒数は朗読部門より短かったはずだ。

 自分で文章を考えなくちゃいけないけど、やりがいがありそう。