大会本番の日、待ち合わせの駅に着くと、顧問の先生がいらっしゃった。


「おはようございます。倫太郎君はまだですか」

「そうみたいねぇ」


 顧問の先生と私はキョロキョロと辺りを見て確認するが、倫太郎君の姿は見当たらない。


 彼を待つことって珍しいな。

 そう思っていると、次の電車が到着したのか、たくさんの人が改札から出てくる。

 その中に倫太郎君がいた。


「お待たせしました」

「1本の差だから気にしなくていいわよ。行きましょう」

 顧問の先生がそうおっしゃったのを皮切りに、私たちは会場へ向かって歩を進める。