文化祭が終わると、今度は中間試験という悪夢がやってくる。

 試験前には部活動が休みになるけど、その前に1日だけ部活のある日があった。


 試験期間中は勉強に集中しなくてはならないから、今のうちにしっかり練習しておきたい。


 常盤君も大会に出るみたいだし、一緒に練習できるかな。

 そう思いながら放送室に入った。


 やはり常盤君は先に来ている。

 そして彼の様子を見て、舌を巻いた。


 到着が早いから一驚したのではない。

 幻の競歩部に所属している彼だから、そのことにはさして驚かなかった。


 では何かと言うと、常盤君が基礎練習をしているのだ。

 まさか、部室で彼の練習している姿を見れる日が来るとは思わなかった。


 しかも、早口言葉も流暢だ。

 それをちょっぴり憎たらしく感じてしまうのは許してほしい。

 これだけできる人からすれば、そりゃあ私の不出来を面白く感じるだろう。