「結衣子、部活何にするか決まってる?」

 登校して席に着くなり前の席の凛ちゃんが話しかけてきた。


 そういえば、もう仮入部期間が始まるんだっけ。

「候補はいくつかに絞ってるけど……凛ちゃんは?」

「私はチア部にしようかと思ってて、体験に行くからもしよかったら一緒にどうかなって」


 有り難い話だけれど、運動部は候補外だ。

「誘ってくれたのはすごく嬉しいけど、文化部で考えてて」

「そっかあ。残念」


 それにしても、凛ちゃんがチア部かぁ。衣装似合うだろうな……。

「凛ちゃんのチアガール姿見たい。絶対似合う。凛ちゃんのためにチア部があると言っても過言ではない」

「何言ってんの。じゃ、運動部入る?」

「入ら……ない」

 そう言うと凛ちゃんは小さく笑った。