隣の圏外さん



「なになに、私の話?」

 ひょっこりと田中先輩が現れた。


「田中先輩! 大丈夫なんですか?」

 慌てて田中先輩に駆け寄る。


 まだ休んでおられた方が良いのではないだろうか。


「いやいや、大げさなんだって。大丈夫って言ったのに保健室へ行ってこいってうるさいからさー。いっぱい水分補給して休んだら、もう回復したよ」


「大げさじゃないだろ、ふらついていたくせに」

 部長が田中先輩に対して、珍しく怒っている。


「あはは。もう大丈夫なんだけどね、本当に。心配してくれてありがとう」


 田中先輩の態度を見た部長は、ため息をついて、やれやれとでも言うような表情を見せた。

 すっかり毒気を抜かれたようだ。