隣の圏外さん



「撮りまーす。はい、チーズ」

 手際が良い。

 撮ってもらった後、すぐにカメラを受け取った。


「ありがとうございました」

 お礼を言って別れ、再び教室に向かって歩き出す。


「あとでちょーだい」

 梓が顔を覗き込んできた。


「わかった。送るね」

 そう返事しつつも、内心冷や冷やする。

 変な顔だったらどうしよう。


 圧倒的美形の横に並んでしまっては、どうあがいても見劣りするのは避けられない。

 それでも、気にしてしまうのが乙女の性分だ。


 こっそり見返して確認する。

 半目になっていなくてほっとした。


 梓もこの写真、要るんだ。

 そう思うと心にポッと明かりが灯ったような感じがする。

 社交辞令で言ったのだろうか。


 女子は隣のクラスで着替えることになっていたので、梓とは廊下で別れる。


 着替えを終えて自分の教室に戻り、担任の先生の話を聞いて解散となった。

 入賞したからか、先生は嬉しそうだった。