「俺、帰って来るから。
日本に住めないかもしれないけど。
会いに来る。」



出たのは自分でも驚くくらい擦れた声だった。



「でも、お金とかかかるじゃん。」


「大丈夫。会いたい。」



香珠美が腕の中で頷いた。


しばらくして、どちらからともなく離れた。



「じゃあ、メールするから。」


「うん。クリス、あとどれくらいこっちにいるの?」

「明日の夜。
だから、明日は学校来るよ。」



俺が言うと、香珠美は微笑んだ。