汗臭さもない、少しだけ甘い香りに包まれると、少しだけ心臓が早く波打ちます。
「このまま……」
え?
「このまま顔を見られたくないな……」
「どうして、ですか?」
「ねぇ、結梨絵ちゃん、次に会う時も眼鏡はずしてきてって……お願いしてもいい?」
次に会う?
またみんなで飲み会するときでしょうか。初夏ちゃんと丸山君を応援するためなら……いいえ。
みんなで飲むのは楽しい。
また、会えるといいと思っています。
「ご迷惑でなければ……」
「迷惑なんかじゃないよ……。むしろ、僕がわがままを言っている。読めない文字は僕が君の目になるから」
読めない文字といっても、メニューなら顔に近づければ問題ないです。知らない場所に行くなら駅の掲示板だけ少し不安です。
それも、眼鏡を持ち歩けば問題ありませんね。
「こっちは何があるのかな」
人の声に、はっとして和臣さんが体を離しました。
「ご、ごめん、その、手が早いとか、そういうんじゃなくて、えっと、……ご、誤解してほしくないんだけど……」
その時になって、初めて和臣さんは私を抱きしめ……こほん、ハグしてしまっていたことに気が付いたらしい。
「大丈夫です。……あ」
男性に抱き着かれても大丈夫なんて言う女性って、慣れているか相手のことが好きかって思われてしまいませんか?
「ち、違うんです。えっと、大丈夫っていうのは、あの、慣れてるとかじゃなくて、えっと、感極まって和臣さんが思わずその……誤解したりしませんから……」
「は、はい。ありがとう。えっと、その……」
うー。私は相手の表情は見えないけど、和臣さんは私の表情は見えるよね。
なんだか恥ずかしくてきっと今、顔が赤いです。それを見られるかと思うとますます恥ずかしくなって……。
「おー、おまえら何、二人で下向いてもじもじしてんだ?」
丸山君の声に驚きました。二人で、下を向いて?
「思わず、中学校の放課後の図書館が思い浮かんだぞ。はははっ。まー、和臣にはそんな経験ないだろうけどなっ!」
「そんなって、どんなだっ?」
「恥ずかしくて下向いてもじもじするような経験だよっ!って、まじ何やってたの?」
和臣さんも、恥ずかしい顔してたの?下向いてたんですか?
「わ、私がコンタクトを忘れて缶の文字が見えないので、和臣さんが代わりに読み上げてくださるので、お礼を……その」
「このまま……」
え?
「このまま顔を見られたくないな……」
「どうして、ですか?」
「ねぇ、結梨絵ちゃん、次に会う時も眼鏡はずしてきてって……お願いしてもいい?」
次に会う?
またみんなで飲み会するときでしょうか。初夏ちゃんと丸山君を応援するためなら……いいえ。
みんなで飲むのは楽しい。
また、会えるといいと思っています。
「ご迷惑でなければ……」
「迷惑なんかじゃないよ……。むしろ、僕がわがままを言っている。読めない文字は僕が君の目になるから」
読めない文字といっても、メニューなら顔に近づければ問題ないです。知らない場所に行くなら駅の掲示板だけ少し不安です。
それも、眼鏡を持ち歩けば問題ありませんね。
「こっちは何があるのかな」
人の声に、はっとして和臣さんが体を離しました。
「ご、ごめん、その、手が早いとか、そういうんじゃなくて、えっと、……ご、誤解してほしくないんだけど……」
その時になって、初めて和臣さんは私を抱きしめ……こほん、ハグしてしまっていたことに気が付いたらしい。
「大丈夫です。……あ」
男性に抱き着かれても大丈夫なんて言う女性って、慣れているか相手のことが好きかって思われてしまいませんか?
「ち、違うんです。えっと、大丈夫っていうのは、あの、慣れてるとかじゃなくて、えっと、感極まって和臣さんが思わずその……誤解したりしませんから……」
「は、はい。ありがとう。えっと、その……」
うー。私は相手の表情は見えないけど、和臣さんは私の表情は見えるよね。
なんだか恥ずかしくてきっと今、顔が赤いです。それを見られるかと思うとますます恥ずかしくなって……。
「おー、おまえら何、二人で下向いてもじもじしてんだ?」
丸山君の声に驚きました。二人で、下を向いて?
「思わず、中学校の放課後の図書館が思い浮かんだぞ。はははっ。まー、和臣にはそんな経験ないだろうけどなっ!」
「そんなって、どんなだっ?」
「恥ずかしくて下向いてもじもじするような経験だよっ!って、まじ何やってたの?」
和臣さんも、恥ずかしい顔してたの?下向いてたんですか?
「わ、私がコンタクトを忘れて缶の文字が見えないので、和臣さんが代わりに読み上げてくださるので、お礼を……その」


