食堂の白井さんとこじらせ御曹司

「肌とファンデーションをくっつける糊みたいに思えばいいかな?ああ、糊とも違うか。顔色もよく見せたり、くすみを抑えたり、赤身のある肌ならこの色、血色をよくしたければこの色みたいに、使い分けることもできるんだけど」
「糊……あ、化粧のノリがよくなるって、そういうことなんですね」
 違います。ごめんなさい。
 説明がへたくそです。
 取りあえず自分の顔に少し塗って見せました。
「肌の感じが違って見えるでしょう?」
 二人は分かってくれたようです。
「それから次は……えっと、ちょっとこれじゃぁ探しにくいから、分けましょうか」
 テーブルの上の化粧品の山を、ファンデーション系、アイメイク系、ブラシなどの道具系、大まかに分けて置きます。
 そして、説明再開です。
「下地って、これでいいですか?」
 二人の選んだ下地を確認します。今回は化粧の基本なので、これとこれを組み合わせると神!ということにはこだわりません。
 パウダー塗って、下地塗って、ファンデーション塗って、もういちどパウダー塗って、霧吹きで化粧水吹きかけて、ティッシュで押さえると崩れにくいとかそんな高等テクニックも使いません。
 二人とも、私の真似をして黄色を選んでいます。
「はい。黄色は基本なので問題ないです。ピンクを使うと血色がよく見えます。元気な印象を出したいときに使うといいです。逆にクールに見せたいときは紫ですが……就職活動では、黄色かピンク、赤味が気になる友達がいたらグリーンをすすめてもらえば問題ないですよ」
 私の場合は、疲れてクマが出ているときはオレンジを使ったりもします。
 年齢を重ねていくと、いろいろと使うものも変わっていくのです。
 それから、二人が選んだファンデーションが顔色にあっているか見ます。
「顔に塗る前に、腕に少しつけておきましょう。念のため、かゆくなったり赤くなったりしたら合わないから使わないほうがいいですよ」
 二人は言われるまま、今選んだ下地とファンデーションを少しだけ腕の内側に塗りました。
「えっと、それから……」
 若いっていいなぁ。肌ぴちぴち。ほかに何も必要ないよね。