【完】孤独なメイドは執事を独り占めしたい

「そしたらアルマはまた違う哀しみと共に生きなければならない。やはりもう少し時間が経ってからでも」



「ライアン」



「ベラ様」



ベラはアルマを抱きかかえてライアンの方に近づいた。



「アルマはエレノアに似て優しい子に育ち、ライアンに似て、心の強い子に育つでしょう。




私も人の親です。貴方の気持ち、痛いほど分かります。



ですが、貴方はこの先、エレノアのとの約束を何年も犠牲にして果たさないつもりですか?



生きものの時間というのはとても複雑です。ここで諦めてしまっては、店を開く前に貴方はエレノアとまた再び出逢うことになってしまいます。



それは、約束を果たせないのと同じです。生きている内に、約束を果たし、エレノアに胸を張って逢うのが一番いいでしょう。



アルマは私達が責任をもって育てます。心配いりません。


成長したアルマはきっと、貴方の気持ちを理解してくれます。



だから、お行きなさい。そして、エレノアとの約束を果たして下さい」