ノイズのなかで、彼を待って。

あれだけ彼に対して少し恐怖心感じていたのに、今の私には微塵もそう感じられなかった。

むしろスッキリした気分だ。

約1年間、彼を不機嫌にさせ、別れ話になる度、「別れた方がいい」という思いより「もしかしたら、」という希望を持って必死で引き止めた自分が可笑しく思えた。

改札を通り、電車に乗った。

まだたったの十一時だった。

今日はまだ楽しめそうだと、
窓の外で流れる景色を見て思った。