ノイズのなかで、彼を待って。

友人から『話を聞いている限りだけど、DVっぽい』と言われたのは、付き合ってから五ヶ月ほどの事だった。

ちょうど恋人との近況を話す機会があったからだ。

そんな彼でも、優しい時は優しいのだ。言うことを聞いていれば甘い言葉を伝えてくれる。

彼が今日来ないのはどうしてか、なんて、もう分かっている。

彼が来ないのは、私の自業自得である。

私が悪かったのだ。

目の前に置いたドリンクを手に取ると、思いっきり口の中に吸い込んだ。

冷たいものが一気に喉を滑り落ち、その後に吸った息とで噎せそうになる。

今日は帰ろう。そう思った。

いくら待っても彼は来ないだろう。