愛して欲しいなんて言わない!

私は席を立つと、
すたすたと出口に向って歩き出した

「理菜、待ちなさい」

母親のまったりとした声が聞こえた
でも
足を止めるつもりはない

どうせ
留まったって
大人のつまらない会話を聞かされるだけ

嘘偽りばかりの
お世辞を並べ

綺麗な言葉で
汚い心をさらけ出す

そんな会話に
何の意味があるというのだろう

遠まわしな会話を聞くくらいなら
さっさと家に帰って

窮屈な着物を脱いでやる