氷のように固まっている小林の手から
メモ用紙を
私はひったくると

椅子に座って
無表情でこっちを見ている西九条に
近づいて行った

「約束通り、持ってきた」

「おお」

西九条がメモを受け取る
その上には青山が真っ赤な顔をして
乗っかっている

…ということはまだ最中なのね

「子作りは夜やってください」

私は青山に言うと
すたすたと準備室を出て行った

うざっ
…てか、生徒が入ってきたら
すぐに離れるとか

なんか言い訳するとか
しろよ!

青山と西九条がね~

やりそうな面子だけど
苛々する

「小西さんはすごいね」

小林が頬を赤らめたまま
廊下を歩く

「何が?」

「だってあんな場面を見ても」

「平気だよ
自分のを見られたわけじゃないし

盛りのついた男女なんて格好悪いだけ」

「あ…でも」

「何?
あんなの見て、興奮したわけ?」

小林の顔がさらに真っ赤になる

興奮したんだ
あんなので

「キスしてあげよっか?」

私は小林に顔を近づけた