「あ…
それとも
紳士的にふるまって欲しかった？

こんな風に手を取り合って」

隼夜がベッドから離れると
私の両手を掴んで
ニッコリとほほ笑んできた

私は隼夜の手を振り払うと
頬をこぶしで殴った

「ふざけんな！
私はあんたと結婚しないし

セックスもしない」

「あらら？
意外と純情？

もしかしてセックスの経験なし？」

馬鹿にしたような顔つきになると
隼夜は口を緩めて笑う

私はもう一回
隼夜の頬を殴ろうと手を出すが

今回は隼夜に手首を掴まれて
殴れなかった

「ふん
まいいけどさ

痛いとかいって泣くなよ

そういうの面倒だから」

「言わねえし
あんたとセックスしないって
言ってるだろ」

「今日はしなくても
いつかする
夫婦になるんだろ？
俺達…」

こいつと話すと苛々する

私は叫び声をあげながら
股間を蹴りあげると

ホテルの部屋を出た